Ludwig van Beethoven/交響曲第9番 ニ短調 op.125
Johann Christoph Friedrich von Schiller(ドイツの詩人、歴史学者、劇作家、思想家、1759/11/10-1805/5/9)の「An die Freude1785」(「歓喜に寄す」/シラーの詩作品)に曲を付けた第4楽章であまりにも有名である。
交響曲に詩を付けたのはペーター・フォン・ヴィンターの《戦争交響曲 Schlacht-Symphonie》がこの第9番以前に作曲されているが、楽曲の1楽章全体に多大なる影響を得て作曲されたのは第9番が初めてである。
イギリスのフィルハーモニア協会からの依頼を受けて創作され、初演は1824-05-07 @ ウィーン:ケルントナートーア劇場と記録にある。
このときBeetohvenは既に聾者であり(ただベトルジヒ・スメタナのように完全に音が聞き取れなかったのではないようである)、それまでの古典的作曲技法(宮廷音楽の其れ)を大きく打ち砕く斬新な技巧を示し、「作曲が技術である」事を世に知らしめた作曲家でもある。
臨終間際、Beetohvenは「Plaudite, amici, comedia finita est.(諸君、喝采を、喜劇(お芝居)は終わった)」と声を発し、すさまじい雷鳴とともに稲妻が閃いた時、彼は右手の拳を振り上げ厳しい挑戦的な顔をし、遥か高みを数秒間にらみつけた後、その目を永遠に閉じたのだという伝説も耳にした事のある読者も多いと思われる。

さて、この第9番ニ短調op.125であるが、日本ではシラーの「歓喜の詩」として年末の恒例として慣れ親しまれているが、諸外国では「第9」を年末に演奏する慣習はない。そういう意味では日本での伝統文化なのだろう。

私が好きな楽章は2楽章である。
あの生命力漲るテンポと、中間部の広大なダブルリードのテーマが対照的で、その壮大な大宇宙を彷彿とさせる楽章は、本当に1824年に作曲された音楽なのかと思わざるを得ない。
また、Beetohven楽風とも云うべき「諄い音楽」も、この第9番は其れを感じる暇がない程劇的且つ壮大なテーマに覆われている。


「歓喜」


この肯定こそが、晩年のBeetohvenに具わったテーマだったように感じる。
自らの余命がわずかだと感じ、第10番の推敲で用いようとしていたシラーの詩。これを第9番完成直前に差し替え、異例の楽章構成にした意図は、自らの存命中に訴えたかった一番大きな楽想だったのであろう。
本来第4楽章には、のちに弦楽四重奏曲第15番の第5楽章として使われる旋律をあてて純器楽の交響曲とする予定であり、声楽は別に作曲を予定していた《ドイツ交響曲》というタイトルを予定していた交響曲に使用する予定だった。其れを差し替えてまでこの第9番交響曲に用いたBeetohvenは、どこまでこの曲に思い入れを強くしていたのであろう。




この楽曲は、筆者も非常に強い思い入れがあるので、回を分けて執筆していく。
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ダブルリード / 音楽を奏でる道具たち
2006/01/08 5:08 AM
ダブルリードダブルリード(double reed)は、オーボエやファゴットなどの木管楽器につかわれる発音体。乾燥させた葦を削って、二枚重ね合わせてつくる。リードは楽器の吹口につけ、口にくわえて吹き振動させる。ダブルリードはリード自体の質が音色を左右することもあり
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